■ よくあるご質問 ■ Frequency
Asked Questions■
●「歯の裏側(舌側)につける矯正装置」の誤った医療情報(3つの神話
)について |
「歯の裏側(内側,舌側)につける矯正装置」による治療方法は,藤田欣也博士(愛媛県のご出身)によって1976年に実用化され,1978年に世界に発信されたMade
in Japanの方法です.現在では下記のように様々な呼び名で表現されながら,世界中で改良進歩が続けられてきました.私が矯正歯科を学び始めた30年ほど前には,学会場では裏側からの矯正治療はとても変わった専門医が行う特殊な方法として紹介されていましたが,今日では,世界中の教科書にも記載され,多くの先生方が行う一般的な治療方法となっていますのでご安心ください.
いろいろな「呼び名」の例: |
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・日本語の場合 |
・英語の場合 |
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Fujita Method |
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「舌側矯正(ぜっそくきょうせい)」 |
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Lingual Orthodontics (braces
or brackets) |
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「審美的歯科矯正法」 |
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Invisible Braces
(orthodontics) |
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「裏側矯正(うらがわきょうせい)」 |
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Hidden Braces |
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「リンガル法」 |
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INCOGNITO Brackets → |
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「リンガルブレース」 |
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Inside Braces |
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「見えない矯正装置」 |
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Lingual Therapy |
※
Orthodontics(矯正歯科),
Brace(s),
Bracket(s):個々の歯につける装置 |
一般的な「歯の外側につける装置」は,治療するDr.(術者)が
,短い治療時間(チェアータイム)で,多くの患者さまを診察できるように改良されてきましたが,「歯の裏側につける矯正装置」は,患者さまの立場に立って,見えないように歯の裏側に装置をつけ,しかも
不快感がないようにより小さく薄く考案・改良されてきました.このため,「歯の裏側につける矯正装置」の調節には
,「歯の外側につける装置」とは異なった「スキル」や「知識」が必要になります.歯並びを治したいけれども,どうしても装置をつけるのに抵抗がある方には最適の治療方法と言えますが,いろいろな矯正装置の中でも「歯の裏側につける矯正装置」は大変手間のかかる装置といえます.
こうしたことから,「歯の裏側につける矯正装置」には手を出さないDr.がいる反面で,これを専門分野とするほどの非常に高い「スキル」と
「こだわり」を持ったDr.もいるという,「特殊な分野」として存在していることをご理解ください.
「歯の裏側につける矯正装置」には,下記のような「三つの神話(誤った医療情報
)」がつきまとっています.私の今までの臨床経験から言えることは,これらの三つの神話,すなわち,「治療結果(仕上がり)」や「治療期間」は,それぞれのクリニックの「診療システム
(治療時間や技工物作成)」や「Dr.の経験や技術」が大きく関連しているものであり,決して「歯の裏側からの矯正治療」が悪い治療方法ではありません.当クリニックの最大の特徴は,「歯の裏側につける矯正装置」に完全対応しているという点です.患者さまが「歯の裏側からの治療」をご希望さえすれば,当クリニックに限っては「あなたの場合はできません」とお答えすることは
ありません.また,ブレースをつけている期間(治療期間)も表側の装置と同じで
あるばかりか,逆に,患者さまのお口の状態によっては,「歯の裏側につける矯正装置」の方が短い期間で治療できる場合もあ
るのです. 少しばかりしゃべりにくくなるのが,「歯の裏側につける矯正装置」の欠点とされていましたが,
これについても,いくつかの小さく新しい装置(コンピュータ化された小さく個々にデザインできる技術など)の登場によって発音障害も解消しています.
⇒参考:TOP-Service社のWebサイ
ト,Ormco社のWebサイト
★「歯の裏側につける矯正装置」に関する3つの神話+プラス1: |
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@ 『治療に時間がかかる.』 |
(表も裏も同じ治療期間です) |
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A 『治療結果
(仕上がり)がよくない.』 |
(治療結果はDrの技術です) |
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B 『歯の裏からの装置はしゃべれない.』 |
(装置の小型化技術によってすでに解消) |
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+1 『良心的な先生なら勧めない.』 |
(びっくり (^.^) ! ) |
4番目(プラス+1)のコメントを実際の患者さまから求められた時は, ほんとうにびっくり
(+_+) してしまいましたが,ほんとうの話しなのです.矯正歯科を担当するDr.の得意なテクニックについては,
直接担当Drにお尋ねいただければと思います.これらの三つの神話の前には
『当クリニックでは・・・・・ 』
という前文が付くのが正解であり,すべて間違った医療情報です.公平で正しい医療情報のご提供,すなわち患者さまとわれわれDr.の持つ医療情報の非対称性の解消に今後も努力する必要性を痛感します.
「歯医者さん」や「お医者さん」に限らず,「レストラン」でも「洋服屋さん」など,あるいは「スポーツ選手」でも「大学教授」でも専門
(得意)分野というものがあります.これと同じように歯医者さんの中でも「矯正歯科」を得意としているDr.が,「○○矯正歯科」という看板を挙げて
います.一方では,「○○歯科医院」では, 「一般歯科」・「矯正歯科」・「小児歯科」・「口腔外科」といった複数の「診療科目」を標榜(ひょうぼう)している場合もあります.この「標榜」に関する問題点については,東京歯科大学教授による解説PDFファイル「特集
私にピッタリの矯正歯科を探せ!」をご一読ください.
歯並びの治療には,いろいろなテクニックや装置があること,また治療期間や治療結果はブレースの種類によるのではなく,Dr.の技術が大きく影響するということをご理解いただけたと思います.